手関節を牽引しながら他動的に掌背屈させる手関節の可動域訓練の効果について報告してきた。今回、牽引力及び牽引方向を定量化可能な実験装置を使用して、他動掌背屈運動時の橈骨手根関節及び手根中央関節の挙動について、健常男性10例を対象としてMRIで評価した。 その結果、手関節の牽引により中間位及び背屈位において月状骨が背屈方向に回転し、RL関節角度変化量が増加することが判明した。この効果は橈骨手根関節の可動域回復を目的としたリハビリテーションに有効であると考えられる。牽引によりRL関節及びCL関節の骨間距離は中間位、背屈位で開大していたが、このことが牽引の効果に関連していると考えられる。
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