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2015 年度 実施状況報告書

異方性氷の生成を目的とした結晶方向変化速度に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K21021
研究機関金沢大学

研究代表者

寺岡 喜和  金沢大学, 機械工学系, 准教授 (10365025)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード製氷 / 結晶方向 / 凍結濃縮
研究実績の概要

氷結晶の異方性を活用することで様々な製氷プロセスに革新をもたらす可能性がある.しかし,既存の製氷システムでは結晶方向を特定の方向に制御し,それを保持することが困難であるため,異方性を利用することは実用段階に至っていない.研究代表者は,これまでに実施した結晶方向制御技術に関する研究,および,独自に提案する製氷方式に関する研究で得られた成果から,任意の結晶方向を持つ単結晶または単一方向を有する板状結晶群の氷を高速かつ連続的に生成するシステムが確立可能であるとの考えに至った.
本研究では,成長中の氷結晶方向の維持を阻害すると想定される結晶方向変化現象を定量的に解明することで,異方性氷の安定生成条件を明確にすること目的とする.
本年は,本研究のために最適化された金属箔ベルト製氷システムを構築し,製氷性能などを検証した後,以下の結果を得た.
本システムにより生成した板状氷の結晶状態を観察し,各結晶粒界の結晶方向の測定を行った.その結果,氷の結晶状態を二つの安定状態と不安定状態の三つに分類できることを確認した.さらに,その二つの安定状態においては,明確な結晶粒界は,ほぼ消失し,条件によっては徐々に結晶方向が変化するような結晶ではあるが単結晶に近い状態であった.この安定な結晶状態の一つは,c軸方向が排出方向にほぼ垂直かつ製氷面にほぼ平行であった.もう一方は,製氷面にほぼ垂直であった.不安定状態からこれら安定状態への移行頻度を評価し,ベルト速度に大きく依存することを明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

異方性氷の安定生成条件を明確にするという目的の一部を達成したと言える.
ただし,現象の定量的評価に重要な,比較的高精度,かつ,高効率な結晶方向測定の確立にやや時間を要し,当初進捗に若干の遅れが生じているが,挽回する目途が立っているため,順調であると判断した.

今後の研究の推進方策

比較的高精度,かつ,高効率な結晶方向測定を実施しすることで,結晶方向変化現象を定量的に評価する.また,試料を水溶液に変更し,この現象に与える溶質の影響についても議論する.

次年度使用額が生じた理由

次年度予定している水溶液実験の準備が当初の予定より若干遅れているため使用額が減っているものの,研究計画に変更はなく,当初予定通りに計画を進める.

次年度使用額の使用計画

水溶液実験に必要な測定装置,および,引き続き実験に必要な消耗品購入に充てる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 金属箔ベルトを用いた製氷システムにより生成された氷の結晶状態2015

    • 著者名/発表者名
      松本 悠佑,寺岡 喜和,東野 雄介
    • 学会等名
      第5回潜熱工学シンポジウム講演論文集
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2015-11-26 – 2015-11-27

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公開日: 2017-01-06  

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