本研究は、濡れ性を支配する分子力場パラメータ(ハマカー定数)を、第一原理算定する新規手法を開発した。信頼性の高い第一原理計算法と組み合わせることで、ベンゼンのベンチマーク計算は、実験をよく再現し、当該手法の妥当性を検証できた。当該手法を、アモルファスシリコン薄膜の前駆体インクであるシクロヘキサシランに応用することで、実験参照のない当該系のハマカー定数に対して、信頼性の高い計算科学参照値を得た。当該手法は、実プロセスに現れる実用分子系に対して信頼性の高い力場パラメータを供する汎用手法であり、液体プロセス技術の実用化に向けた最重要課題の一つである、濡れ性制御の動力学解析を可能にすると期待される。
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