研究実績の概要 |
本課題には、(A) エージェント構造と信念変化の相互作用の形式化, (B) 不確実性下の信念・知識の論理, (C) 情報伝達行為の証明論的研究, の3つの課題が存在した。以下3つに分けて本年度の研究実績の概要を説明する。(A) に関しては、初年度に研究協力者の北陸先端大 博士後期課程学生 Pimolluck Jirakunkanok, 及び, 東条敏教授と共同で行った、裁判官の信念変化の論理的分析に関する論文がArtificial Intelligence and Lawから出版された。(B)に関しては、研究協力者のJonni Virtema を北海道大学へ一か月招へいし、 一つの状況・世界ではなく,それらの集まりの上で論理式を評価する様相論理のTeam 意味論に関して、依存関係を表す原子式を加えた様相論理の構文論がクリプキ構造に対してもつ表現力を調べる研究を行った。この研究結果はAnnals of Pure and Applied Logicへの採択が決定した。また中山大学の馬明輝教授を北海道大学へ一か月招へいし、条件付き信念(φの条件の下でψを信じる)の証明論について研究討論を行った。(C) に関しては、昨年度のAWPL-TPLC2016 での発表をまとめた論文がPhilosophical Logic: Current Trends in Asiaに共著論文として採録された。また東京理科大の秦野亮助教とはこの研究成果をさらに深める別意味論についての研究討論を行い一定の成果を得た。さらには、昨年度に国際会議LORI6へ投稿した Seligman らによる Epistemic Logic of Friendship についての未解決であった証明体系に関する論文は無事に採択され、9月に北海道大学で開催された国際学会LORI6で発表を行った。
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