研究課題
若手研究(B)
本研究は児童虐待・ネグレクトなど不適切な養育に起因する小児反応性愛着障害の神経基盤を脳機能イメージングにより解明することを目的とした。反応性愛着障害児では定型発達児と比べて金銭報酬に関わる腹側線条体の機能が著明に低下していた。また、愛着スタイルで回避的な対人関係、感受性期解析で幼児期の虐待が、腹側線条体の脳活動低下と関連していた。さらに、反応性愛着障害児はオキシトシン点鼻の単回投与により線条体での報酬変化の感受性が改善したが、プラセボでは効果がなかった。本研究の成果は、早期介入の重要性と愛着障害の病態解明および病態特徴に基づく治療・支援法の開発を目指した臨床応用への発展に貢献すると考えられた。
小児精神神経学、小児発達学
