• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

秘密を通した幼児期の自他理解の発達の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K21034
研究機関山梨大学

研究代表者

塚越 奈美  山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60523701)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2021-03-31
キーワード幼児 / 秘密 / コミュニケーション / 自他理解
研究実績の概要

「秘密」は、情報の共有を通して「私」と「他者」との距離を近づける。その一方で、情報を隠す時には「私」と「他者」との距離を遠ざける役割も果たす。私と他者をつなぐ役割と距離を持たせる役割、この 2 つの役割を果たす秘密を、幼児期の子どもはどのように理解し、他者との関係性の中で使っているのだろうか。本研究は、この点について調べることを目的としている。
具体的には、以下の2点について検討している。<目的1> 幼児期の子どもは「秘密にする」という行為を何歳頃から理解するのか。<目的2>幼児期の子どもはどのような情報を秘密にするのか、またその相手は誰なのか。
これまでに、秘密や嘘などの自分の気持ちを隠す場面に関する文献から、秘密が他者との関係性の中で果たす役割について整理をおこなってきた。また、予備的な調査において、幼児は年齢が高くなるにつれて、秘密にすることが求められる場面では他者に情報を教えない傾向が高くなること、また、秘密の共有を求める他者との親密度によって対応を変えることが分かっている。日常生活において幼児が秘密をどのように使用しているのかを調べるために実施した観察においては、相手が大人の場合、親しくなろうとする意図をもって情報を隠す行為がみられることが示されてきている。本年度は学会発表に向けて、主に観察データの整理・分析を進めてきた。
約2年の研究中断があったため、当初の計画を変更せざるを得ず、幼児を対象とした面接調査と縦断的観察が困難となった。そのため、昨年度からはこれまでのデータの整理に加え、対象者および方法を修正しながら、目的達成に向けて研究を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していた幼児を対象とした面接調査と縦断的観察の実施が困難となったため、目標達成のために計画の修正が必要となった。新たな計画の準備等に時間がかかったため、やや遅れている状況である。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果に関する成果について、学会発表にて報告する。また、質問紙調査の実施等により、幼児期の子どもが秘密にする行為を何歳頃から理解するのか、また秘密を誰とどのように共有するのかなどについて、引き続き検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

産児休暇・育児休業によって、研究期間を2年間延長しており、研究を継続するために残金が生じている。予算は調査準備のための書籍や物品の購入、および情報収集や成果発表のための学会旅費として用いる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 利用者が感じる山梨大学附属図書館子ども図書室の魅力:附属幼稚園児の保護者を対象とした質問紙調査からの考察2020

    • 著者名/発表者名
      塚越奈美、秋山麻実、志村結美、川島亜紀子、小島千か、渡邊文代、佐藤和裕
    • 雑誌名

      教育実践学研究(山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要)

      巻: 25 ページ: 1-10

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 記録の間に立ち上げる育ちの物語2019

    • 著者名/発表者名
      荻原ひろみ、古屋あゆみ、野田多佳子、秋山麻実、塚越奈美、大野歩
    • 学会等名
      日本保育学会第72回大会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi