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2015 年度 実施状況報告書

大気低周波輸送の影響を考慮した大気―地表面間の熱・ガス交換量の評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K21036
研究機関信州大学

研究代表者

岩田 拓記  信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (10466659)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード地表面熱収支 / 渦相関法 / 大気境界層 / 低周波輸送
研究実績の概要

大気―地表面間の熱・ガス交換過程を理解することは気候変動予測において重要であり,その交換量の標準的測定手法である渦相関法の果たす役割は大きい.しかし,渦相関法には熱収支が閉じない問題が残されており,データの精度向上の必要がある.本研究では,渦相関法で測定される熱・ガス交換量について信頼性の高い評価方法を確立することをめざしている.理解の進んでない大気境界層内の低周波輸送に注目し,(A)測定データから地表面交換量と低周波輸送へ分離する方法を確立する,(B)低周波輸送の挙動の把握を行う,(C)低周波輸送が渦相関法による交換量測定にどのように影響しているかを明らかにする,ということを目的としている.
初年度には,上記のようなことを明らかにするために,つくば市の真瀬水田において渦相関法を用いた自動連続測定による熱交換量観測と個葉や大気境界層などの集中観測を実施した。
渦相関法によって測定した大気―地表面間の熱交換量データの解析を行い,真瀬水田における熱収支の評価を行った結果,従来の観測結果と同様に熱収支が閉じていないことを確認した。また,集中観測で得られた水稲個葉の蒸発散データや大気境界層内の温湿度プロファイルデータと渦相関法によって測定した熱交換量データを比較することで,特に午前中の大気境界層が発達している時間帯に熱収支が閉じておらず,渦相関法で測定している潜熱交換量に過小評価がある可能性が示された.
以上の研究結果については,日本農業気象学会2016年全国大会にてポスター発表を行い、議論を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画していた観測を実施し,順調にデータの取得を行っている.予定していた連続観測は問題なく実施できている.集中観測も計画どおりに実施した.大気境界層の観測は気象条件によって実施できる日が限られており,測定データの数が限られているが,研究の目的を達成するために必要なデータが取れつつある.また,データ解析から,観測サイトの地表面熱収支の現状を把握し,熱収支が閉じない原因を徐々に明らかにしつつある.

今後の研究の推進方策

計画どおりに野外観測とデータ解析を進める.データ解析では,特に測定データから地表面交換量と低周波輸送へ分離する方法について重点的に実施する.また,今後も必要な観測を継続して実施する.

次年度使用額が生じた理由

観測実行に必要な消耗品が計画よりも少なかったため,次年度の観測時の消耗品費に使用するように計画を変更した。

次年度使用額の使用計画

平成28年度請求額と合わせて,次年度の観測実行に必要な消耗品の購入に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 水稲群落上で渦相関法と傾度法により測定したフラックスの比較:低周波輸送の影響2016

    • 著者名/発表者名
      岩田拓記、小野圭介
    • 学会等名
      日本農業気象学会2016年全国大会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山市)
    • 年月日
      2016-03-15

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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