本研究では脂質の吸収経路であり腸管免疫担当細胞の輸送経路でもある腸間膜リンパ管にカニューレを留置し、食品(蒸留水あるいはココアバター)摂取後のリンパ液の採取を行い、食品摂取による腸管免疫機能を評価する動物実験系の確立を目指した。 本研究により、蒸留水投与では投与後短時間のうちにリンパ液量が増加し、脂質投与では投与後3~4時間で液量の増加が見られた。リンパ球中のT細胞・B細胞比率には採取時間中大きな変動は見られなかった。リンパ液中のサイトカイン(IL-22)濃度を測定したところ、末梢血における濃度よりも10倍~20倍高いことが明らかとなったが、その意味と意義づけについては今後の課題である。
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