シルバーラッセル症候群患者とその家族において解析し、その結果と表現型との比較から疾患発症機序、新しい治療法の開発、遺伝カウンセリングに貢献することを目的としている。 シルバーラッセル症候群患者の末梢血DNA検体において、エピ変異解析を実施した。 第11番染色体短腕末端領域上に、ICR1(IGF2-H19DMR)およびICR2(CDKN1C-KvDMR)が位置しており、近年、シルバーラッセル症候群患者とシルバーラッセル症候群患者様の表現型を呈する患者において、エピ変異が報告されており、疾患発症機序とされる報告が集積されている。エピ変異解析はパイロシークエンス法を行った。われわれは、新規に集積したシルバーラッセル症候群患者とその家族において、ICR1のH19DMRの低メチル化を同定し、確定診断に至った。 既知の報告から、シルバーラッセル症候群の発症原因はICR1のエピ変異が約31.2%、第7番染色体母性片親性ダイゾミー(UPD(7)mat)が約6.5%、原因不明とされる症例が半数以上という報告がある。われわれが集積したシルバーラッセル症候群患者における解析結果は、ICR1のエピ変異にすべて含まれ確定診断に至ったが、原因不明のシルバーラッセル症候群症例について、追加の解析を実施し発症機序を明らかにすることを今後の課題としている。
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