本研究は、二次性リンパ浮腫モデルの作成、病態の解明、新しい治療方法の開発を目的として行われた。まず、ラットを用いてリンパ浮腫モデルを作成した。さらに術後6か月まで、下肢体積の増加、皮下リンパ液貯留、皮膚組織中コラーゲン増加、皮膚硬化を示し、本モデルはヒトと同様に経過することを示した。また細胞実験により、ラットモデルとヒトリンパ浮腫症例の皮膚には筋線維芽細胞が存在することを示した。さらに、筋線維芽細胞にエイコサペント酸エチルを添加すると、コラーゲンの発現量が低下することを示した。エイコサペント酸エチルはリンパ浮腫の皮膚硬化を改善し、新しい治療法として有用な可能性を示した。
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