研究課題
今年度の研究成果は3点に分けられる。行動実験の論文執筆及び投稿・再投稿が1つである。次に、視線追跡研究の第二実験の実施が2つ目である。最後に、計算機モデル研究の実施、及び論文発表が3つ目である。まず、注意を注ぐことで視覚性作動記憶がより頑健となるか、より脆弱になるか、という点を明らかにするために、平成28,29年度は複数の実験を実施した。それらを、英国Leeds大学の共同研究者(Dr. Richard Allen)と共に、論文に執筆し、投稿した。Attention, Perception, & Psychophysics誌から再投稿を促され、査読者が指摘した全てのコメントに対応して再投稿を行ったところである。次に、平成29年度に実施した視線追跡研究を論文にするために、もう一つの実験を実施した。この一連の研究では、視覚性作動記憶の検索時に視線が重要な役割を果たすかどうかを検討した。これまでの研究では、正解試行においてのみ、視線が(その項目が提示されていた空間位置に)定位するという結果が得られていた。しかし、この理論が正しければ、エラー試行においても、そのエラー項目が提示されていた空間位置に視線が定位されるはずである。実験1ではそれを支持する結果が得られなかったが、この理由の一つに、エラー試行が完全にランダムな反応(guessing)も含んでいた可能性があったためであった。そこで、実験2では、エラー試行における確信度を問い、自信をもって間違えたエラー試行の分析を行った。最後に、検索時における視線定位の役割を組み込んだ計算機モデルを構築し、上記の行動データの再現を行った。これも成功し、学会にて発表された。また、その計算機モデルを用いて、感情が空間性作動記憶に及ぼす影響をモデリングし、論文として発表した。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Nature Human Behavior
巻: 2 ページ: 356-366