本研究では発生生物学分野でモデル動物として使用されるアフリカツメガエル胚を用い、発生中の組織が正しい形態を獲得する過程とその制御分子メカニズムの一端を明らかにした。細長い形をもつ組織は、収斂伸長運動と呼ばれる細胞運動によって形作られるが、その過程で多数の細胞がお互いに協調しながら動くメカニズムには不明な点が多かった。本研究では細胞を動かす細胞内装置である細胞骨格アクトミオシンの動態を10秒おきに撮影し、収斂伸長運動を起こしている細胞同士がアクトミオシンを活性化させるタイミングをずらしていること、さらにその時間的制御を担う分子シグナルを発見した。
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