研究課題/領域番号 |
15K21069
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐々木 勇和 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (40745147)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 経路検索 / 曖昧グラフ / ネットワーク信頼性 / モバイルアドホックネットワーク |
研究実績の概要 |
平成29年度の大きな成果として,(1)経路検索システムに関する論文が国際会議EDBTの採択された点,(2)モバイルアドホックネットワークにおけるデータ検索システムに関する論文が国際会議MDMの採択された点,および(3)ネットワーク信頼性に関する研究を査読無し国内会議にて1件発表した点である. (1)平成28年度に提案した経路検索アルゴリムの評価を計算時間およびユーザへの有用性の観点から実施した.特にユーザへの有用性の観点では,実際にスペイン,サンタンデルの自治体と連携し,提案システムが市民にとって有益化の評価を行い,高評価を得た.その結果をまとめた論文を国際会議EDBT2018 (Extending database technology)にて採択され発表を行った.EDBT2018では,日本からの投稿件数は6件で,そのうち採択されたもの本研究1件のみである.(2)モバイルアドホックネットワークは,自律的に移動・通信する基盤であり,通信環境が曖昧かつ動的に変化するグラフと考えることができる.本研究では,データの複製配置をTop-k検索(上位k件のデータのみを取得する検索)に特化させて効率化を行った.その結果をまとめた論文が国際会議MDM2018 (Mobile data management)に採択され,30年度の6月に発表予定である.(3)ネットワーク信頼性は,グラフ上の複数の点がどの程度の確率で接続しているかを評価する指標である.この問題は#P困難問題として知られている.そのため,適応的にグラフの大きさに従い厳密解と近時解を計算する.査読無し国内会議であるデータベースシステム研究会にて発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度において目標としていた国際会議に採択されたため,順調に進展しているといえる.スペイン,サンタンデルの自治体・市民の協力を得て経路検索システムの利用・評価を実施できたことは,社会実装を目指す点として非常に大きい.また新たな研究としてネットワーク信頼性に関する研究も順調に進んでおり,論文誌への投稿を準備している.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度の研究の推進方策として,まず前期ではネットワーク信頼性に関する研究をまとめる予定である.特に性能評価の充実と理論的な計算量の詳細な分析をする予定である.この研究は,データベース分野のトップ論文誌であるVLDBに投稿する予定である. 後期においては,本研究課題のまとめとして,既に公開している経路検索システムの拡充を行い広く研究成果を公開する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の予算は,使用予定を下回った.これは,旅費が使用予定より下回ったためである.来年度においては成果発表および実験の拡充のために平成29年度の残額を使用する予定である.
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