研究実績の概要 |
平成30年度の大きな成果として,(1) 曖昧グラフにおけるネットワーク信頼性計算技術を国際会議EDBT2019 の発表,(2) 時空間センサデータの効率的な共起パターン検出技術が国際会議MDM2019にて採択,(3) 車両軌跡データを用いた道路ネットワークの補間技術を国際会議BigComp2018にて発表,および(4) FIT2019にてFIT論文賞,DEIM2018にて優秀インタラクティブ賞を受賞したことである. 研究期間全体を通しての研究成果は,国際会議5本(EDBT2018, MDM2018, EDBT2019, MDM2019, Bigcomp2019),国内会議9本,論文誌1本(国際論文誌に1本投稿中)である.本研究は,枝や節点等のグラフの要素が存在する確率をもつグラフである曖昧グラフとグラフが時刻毎に変化するストリーミンググラフを対象として,問合せ技術の開発を目標とした.特筆すべき成果は,曖昧グラフにおけるネットワーク信頼性の効率的な計算技術の提案(EDBT2019),モバイルアドホックネットワーク上におけるTop-kデータの問合せ技術の提案(MDM2018),および高度な経路問合せ技術の提案(EDBT2018)である.さらに,曖昧グラフやストリーミンググラフは多くの応用があるため,問合せ技術に限らず新たな技術開発を実施した.道路ネットワークの補間技術,ストリーミンググラフの将来予測技術等,多くの有用な技術開発を行った. 本研究が想定していた結果は,様々な応用分野のグラフにおいて,新たなアプリケーションを創出しグラフの利活用の幅を広げることであった.本研究の成果は通信ネットワーク,道路ネットワーク,センサネットワークなどの様々な分野を対象として有用な技術を開発しており,当初の目標を十分に達成できたと考える.
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