高等学校における特別支援教育の推進には遅れが認められており,その推進のために研修会や講演会が全国各地で行われている。しかし,教師にはどのような知識や技能が,どの程度必要であるのか明らかになっていない。そこで,発達障害の1つである自閉スペクトラム症(ASD)に焦点をあて,ASDおよび応用行動分析(ABA)の知識が,ASDに関わる教師およびASD傾向をもつ生徒にどのような影響を及ぼすのか,客観的指標を用いて縦断的に検討した。 その結果,ASDおよびABAの知識は150分の研修で高めることができ,それらの知識の維持によってASD傾向をもつ生徒の精神的健康状態の改善,維持に有効であることが示された。
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