本研究ではオープンジオデータ(ユーザーが入手可能でありかつ利用・加工できる位置情報を含んだデータ)の自然資源管理への有効活用に向け、オープンジオデータの利活用の実態を調査するとともに、データの質を調べることで、ユーザーにとって利用価値の高い オープンジオデータはどのようにあるべきかを調査・分析する。2017年度は、実施したのは主に以下通りである。 「オープンジオデータの質的調査」データの公開にあたっては、一般ユーザーがアクセス可能となるデータの量が増加すること、またそのデータが正確であることの2点が求められる。昨年度に開発した、データがどのような精度を有しているかを面的に把握する手法を応用し、本年度では入手可能な日本国内の土地被覆図に対して精度評価を実施した。これによりデータ内のどの地域において精度が高いか(もしくは低いか)を視覚的に表現することが可能となり、データ製作者・利用者双方に有益な精度評価結果を示すことができた。
「増大するオープンジオデータの処理に関する検討」自然資源管理に有用な、入手可能な衛星画像データが大容量化し、そのデータが有効に活用できないという課題が本研究を遂行する中でみられた。そのため、近年開発が進むクラウド型衛星データ処理ツールの活用を検討した。大容量のデータを自前のコンピュータ環境に保存・加工・分析することなく、クラウド上で主題図を作成することができ、応用可能性が高い一方で、プログラミング言語の習得が求められるため初心者には障壁が高い。そのため自然資源管理者にいかにしてこのような新規ツールを展開していくかが課題として挙げられた。
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