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2016 年度 実施状況報告書

日常的場面での行動における無関連な情報の影響

研究課題

研究課題/領域番号 15K21101
研究機関追手門学院大学

研究代表者

石橋 亜澄 (田邊亜澄)  追手門学院大学, 心理学部, 特任助教 (50589728)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード実行機能 / ワーキングメモリ / 展望記憶 / 前頭葉
研究実績の概要

平成28年度では、エディンバラ大学のRobert Logie教授のグループにおいて日常生活場面を模した多重課題状況を実験するために開発されたEdinburgh Virtual Errands Task (EVET)という課題(Logie, Trawley & Law [Mem. Cogn. 39, 1561-01574. (2011)])の日本語版をLogie教授とEVETのプログラム開発担当のMathew Logie氏の協力を得て作成し、日本語版EVETの実行中の脳活動を近赤外光脳機能イメージング装置(near-infrared spectroscopy: NIRS)によって測定した。従来のEVETではコンピュータプログラム上で自由に行動させるという点が長所であったのだが、そのため身体の固定が必要となる脳機能イメージング法としてよく実施されている機能的核磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging : fMRI)では脳活動を測定することが困難でもあった。しかしNIRSにおいてはfMRIよりも体動による信号への影響が小さく済むため、NIRSであればEVET実施中の脳活動を測定できることがわかった。Logie et al. (2011) の研究で、EVETの成績とワーキングメモリ課題成績の間に相関があることが示されており、ワーキングメモリ容量が高ければ、一時的に保持する情報の制御を課題目的にそって行うことによって日常的場面でも課題遂行がよりスムーズに行えると示唆されている。このワーキングメモリの神経基盤として前頭前野がその一部として示唆されている(苧阪, 京都大学学術出版会 [(2000)])が、EVET遂行中でも左側の前頭前野に相当すると目される部位の活性化が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2016年度から行われた追手門学院大学のカリキュラム改編のために配分可能な研究業務へのリソースが当初の見込みよりも減少した。また研究手法として比較的新しいNIRSを導入したため、分析方法の確立に時間を要した。
しかし、カリキュラム改編を概ね終えたことで当初の研究計画の予定通り事業を進行させることが可能である。

今後の研究の推進方策

平成29年度では、ワーキングメモリ容量の個人差と日常的場面での展望記憶課題遂行の個人差の関係をより多くのデータで検討するために実験参加者の人数を増やしていく。また、日常的場面での展望記憶課題遂行に関わる脳部位について、より詳細に検討していく。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度では所属機関のカリキュラム改編により当初の予定より研究に割けるリソースが減少し実施できた実験数が限られてしまったため実験に使用する分が次年度に持ち越された。

次年度使用額の使用計画

平成29年度では、より多くのデータを収集するために実験者を雇用して実施できる実験数を増やして対応する。

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公開日: 2018-01-16  

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