京都大学再生医科学研究所の1.5T MRI装置(Siemens社製 MAGNETOM Sonata 1.5T)および開発・改良した撮像シーケンスを用いて、被験者を用いて顎運動時の動的MRIデータを取得した。さらに本データに対して自動的に画像処理を適用し、顎運動軌跡の自動計測が可能なデータ処理解析手法および計測ソフトウェアの開発を実施。本解析手法を適用することにより、高精度の顎運動計測が可能となった。 脳機能解析研究では、京都大学こころの未来研究センター連携MRI研究施設の(Siemens社製 MAGNETOM Verio 3.0T)および32ch Head Coilや付属の設備を使用して、正常被験者および顎関節に軽度の異常が認められる被験者を対象として、昨年度に引き続き、task-baseのfunctional MRI(fMRI)実験およびresting-state fMRI実験および、高解像度T1強調撮像、多軸拡散強調撮像(DWI)を実施し追加のデータを取得した。得られたtask-base fMRI実験およびresting-state fMRI実験は、昨年度のデータと合わせてMATLAB上で動作するSPM(statistical parametric mapping)12およびREST toolboxを用いて解析を実施し、被験者群間での差異について比較検討した。DWIデータについてはFSL(FMRIB Software Library)等を用い処理を実施し、被験者群間での差異について検討した。結果として、どの手法の結果でも、両群間に差があることが明らかとなった。本研究の結果から、顎関節疾患は脳の機能や構造に影響を与える可能性が示唆された。
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