研究課題/領域番号 |
15K21105
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野寺 陽平 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (20531031)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超イオン伝導体 / 固体電解質 / 電池材料 / 中性子散乱 / X線散乱 |
研究実績の概要 |
本研究では、優れたイオン伝導性を示す Li2S-GeS2-P2S5 系超イオン伝導体を研究対象とし、ガラスから結晶への構造変化とイオン伝導性との関連を中性子とX線を相補的に用いた構造解析によって明らかにすることを目的としている。平成27年度においては、高純度の不活性ガス雰囲気下でのメカニカルミリング処理によって、Li2S-GeS2-P2S5 系についてLi10GeP2S12の組成でガラス試料の合成に成功した。さらに、550°Cでの熱処理によって、Li10GeP2S12結晶を得ることに成功した。 得られたガラスおよび結晶試料について、高輝度放射光施設SPring-8において高エネルギーX線回折実験を、大強度陽子加速器施設J-PARCのパルス中性子施設MLFを利用して中性子回折実験を行い、回折データを取得することに成功した。回折データの解析は、結晶試料についてはRietveld解析によって、ガラス試料については二体分布関数の導出による実空間での解析(PDF解析)によって構造解析を進めた。現在は、回折データを基にした逆モンテカルロモデリングを行い、ガラスおよび結晶の3次元構造モデルの構築を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で、研究計画における第1段階(試料の作製)、第2段階(中性子および放射光 X 線回折実験および基礎的な構造解析)をほぼ予定どおり達成し、第3段階(逆モンテカルロモデリングによるガラス・結晶の3次元構造モデルの構築)に着手できていることから、順調に研究が進捗していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果がまとまり次第、研究論文を報告していく予定である。
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