本研究では、高いリチウムイオン伝導度を示すLi10GeP2S12結晶をMA法によって作製したLi10GeP2S12ガラスの熱処理によって析出させ、ガラスから結晶への構造変化とイオン伝導性との関連を中性子とX線を用いた構造解析によって明らかにすることを目的とした。 中性子およびX線データを相補的に利用した逆モンテカルロモデリングによって、Li10GeP2S12ガラスおよび結晶の実験データを忠実に再現する3次元構造モデルの構築に成功した。3次元構造モデルからLiイオンが存在可能な空隙サイトを抽出した結果、結晶の空隙サイトの空間的な分布はLiイオンの伝導により適した形となっていることが分った。
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