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2016 年度 実績報告書

疾患特異的iPS細胞を用いたヒト遺伝性腫瘍疾患モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K21111
研究機関京都大学

研究代表者

室伏 善照  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50448578)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード腫瘍学 / 遺伝性疾患 / がん抑制遺伝子 / VHL / 褐色細胞腫
研究実績の概要

Von Hippel-Lindau(VHL)病は、VHL癌抑制遺伝子のgermline mutationを原因とする常染色体優性遺伝性の家族性腫瘍症候群であり、腎細胞癌、褐色細胞腫(Pheo)など様々な腫瘍を発症・併発する。VHL遺伝子を含む複数の遺伝子変異が報告されているが、VHL病の発症・進展のメカニズムは未だ不明な点が多く、根治療法の開発には至っていない。本研究は、より最適なin vivo及びin vitroのヒトVHL病疾患モデルの構築を目指し、樹立したVHL病患者(VHL mut/+)由来の疾患特異的iPS(VHL iPS)細胞を用いて、ヒトVHL病の表現型を再現し得るin vivo疾患モデルの構築と、ヒト腫瘍由来細胞株が樹立されていないVHL病腫瘍細胞株の樹立(in vitro実験系の確立)を目的とする。
1. in vitro分化誘導法(in vitro実験系)の確立:ヒトiPS細胞からPheoの発生母地細胞への新規分化誘導法を評価・検討した。分化誘導細胞群にて複数の分化マーカー遺伝子のmRNA・タンパク発現が確認され、有用性が示された。また、分化誘導促進可能な候補分子・単離指標となる分化マーカー遺伝子の選択に至る結果が得られた。
2. in vivo疾患モデルの構築:新規分化誘導法による正常iPS細胞由来分化誘導細胞群をNOD/SCIDマウスに移植し、得られた腫瘍様組織を評価・検討した。免疫蛍光染色・mRNA発現解析の結果、分化マーカー遺伝子の発現が確認され、in vivo疾患モデルの構築の可能性が示唆された。
以上のことから、本研究の基盤となるin vivo及びin vitro実験系については概ね確立に至る成果が得られた。今後、作製に至らなかった任意にVHL mut/-誘発可能なVHL iPS細胞を獲得した際、本成果よりヒトVHL病疾患モデルの構築が期待できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] iPS細胞による癌研究 -遺伝性腫瘍疾患のモデル化と創薬研究-2016

    • 著者名/発表者名
      室伏善照,木我敬太,杉山愛子, 日高裕輔, 宮脇良文, 中村英二郎
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 34 ページ: 546-550

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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