本研究は、様々な腫瘍を発症・併発する遺伝性腫瘍症候群であるvon Hippel-Lindau(VHL)病患者由来の疾患特異的iPS細胞を用い、ヒトVHL病疾患モデルの構築とVHL病の発症・進展の機序の解明を目的とした。NOD/SCIDマウスを用いたVHL病腫瘍の再現性のin vivo評価系とヒト細胞株のないVHL病腫瘍の発生母地細胞への新規in vitro iPS細胞分化誘導実験系の確立・分化誘導を促進し得る候補分子の絞り込みに至る結果が得られた。 以上のことから、本研究の基盤となるin vivo及びin vitro実験系の確立に至り、VHL病の発症・進展の機序の解明に近づく成果が得られた。
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