ヒトiPS細胞からII型肺胞上皮細胞への分化誘導とその量産化について、分化効率の改良と長期培養法を開発した。II型肺胞上皮細胞の分化マーカーであるSFTPCを発現した細胞を約50%の分化効率で誘導でき、3ヶ月以上にわたって遺伝子発現と形態を維持しつつ培養継続できた。また、開発した方法を用いて、Hermansky-Pudlak症候群(HPS)の疾患特異的iPS細胞をII型肺胞上皮細胞に分化させ、疾患モデリングについて検討したところ、サーファクタントを貯留するラメラ体の異常を確認することができた。ヒトiPS細胞はII型肺胞上皮細胞を用いた肺線維症の病態解明に役立つ可能性がある。
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