研究課題/領域番号 |
15K21115
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉山 愛子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30642699)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アンドロゲン受容体スプライシングバリアント / 去勢抵抗性獲得機構 |
研究実績の概要 |
前立腺癌は本邦において、この20年間に全悪性新生物の中で最も死亡数が増加した癌腫である。進行性前立腺癌に対しては抗アンドロゲン療法が標準治療として施行されているが、アンドロゲン受容体(AR)のスプライシングバリアントの一つである AR-V7 が高発現している症例では、Abirateroneなどの新規薬剤に対して治療抵抗性を示し、これが新たな問題となっている。AR-V7 の発現制御機構は不明な点が多い。本研究ではLNCaP 細胞より新規に樹立を行ったCRPC 細胞株を用いて AR-V7過剰発現によるCRPC 内の制御機構の解明を目的としている。 本年度はAR-V7 低発現細胞株に AR-V7 を導入・過剰発現させた新規細胞株の樹立を目標にした。 ARには数多くのスプライシングバリアントが存在するが、AR-V7はAR-V7しか保持しない「cryptic exon」を含む。そのため、このcryptic exonをターゲットにして、AR-V7全長を増幅するためのプライマーを作成しRT-PCRによるクローニングを行った。Sequencingによって配列の確認を行った後に発現ベクターに組み込み、AR-V7低発現細胞株への導入を行った。薬剤にセレクションを現在、おこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究目標は、AR-V7 を導入・過剰発現させた新規細胞株の樹立である。AR-V7の発現ベクターへのクローニングに既に成功し、現在、薬剤セレクションにより、AR-V7新規発現細胞株を樹立中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、AR-V7過剰発現により変動する遺伝子群とその遺伝子群の生物学的機能、また、それら遺伝子群を制御する因子を探索するため、LNCaP, AR-V7低発現株、AR-V7過剰発現株を用いてcDNAマイクロアレイ解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度にcDNAマイクロアレイを行うため、助成金の次年度への持ち越ししたため。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の研究実施計画に従って、cDNAマイクロアレイの実施と解析を行うためである。
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