水質取引オークションとは、主に農地など特定の排水場所を持たず、かつ汚濁物質の削減義務を負わない非点源が水質汚濁物質を削減した場合に、その削減量に応じた水質クレジットを発行し、それらをオークションで取引するという制度である。汚濁物質の削減義務を負った点源がそれらのクレジットを購入することで、全体の削減費用を最小化できる。本研究では、移動係数に異質性が存在する状況を非対称オークションのモデルを応用して定式化し、単一または複数のクレジットが存在する場合について、ラボ実験を用いた実証的な研究に取り組んだ。実験データの分析は未だ途中であるが、本課題に関する実験研究の基本的な枠組みを構築することができた。
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