• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

人工細胞法を用いた新規膜融合型プロテオリポソームの創製とDDS応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K21119
研究機関京都大学

研究代表者

安藤 満  京都大学, 工学研究科, 特定研究員 (70737460)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード無細胞タンパク質合成 / 膜タンパク質 / リポソーム / 膜融合
研究実績の概要

本研究は、種々の膜融合性膜タンパク質をデザインし、無細胞タンパク質合成システムを利用することで、膜融合型プロテオリポソームの調製を行い、得られた膜融合型プロテオリポソームを基盤とした新規薬物内封方法、薬物送達技術の開発を検証することを目的としている。平成28年度は、まず前年度に構築したpH応答型膜融合性膜タンパク質組込みプロテオリポソームを用いて膜融合能の評価を行った。具体的には、各濃度の酵素で処理した後、反応溶液のpHが4、5、6、7の条件で経時的に蛍光脂質を混合したリポソーム膜のFluorescence resonance enegy transfer (FRET)解消を評価することで膜融合能を評価した。しかしながら、いずれの条件においてもFRET解消が認められなかったことから膜融合は生じていないと考えられる。これはpH応答型膜融合性膜タンパク質の分子内ジスルフィド結合が正確に形成されていないためと推察した。そこで、反応溶液中にジスルフィド結合イソメラーゼを添加することで、タンパク質合成と同時に分子内ジスルフィド結合を形成する条件でpH応答型膜融合性膜タンパク質組込みプロテオリポソームを調製し、検討を進めている。
また、酵素応答型膜融合性膜タンパク質組込みプロテオリポソームの調製を行った。反応溶液に添加する脂質濃度を増大することで組込み効率が約30%と改善され、現在、膜融合活性を示す条件に関して検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

二種類の膜融合性膜タンパク質をリポソームに組込むことに成功したが、膜融合活性を示す反応条件を確立できてなく、計画した膜融合を介した薬物内封方法、薬物送達技術の開発へ向けた展開に至っていないことから、予定よりやや遅れている状況である。

今後の研究の推進方策

最終年度は、各膜融合プロテオリポソームの膜融合条件の探索を可及的速やかに行う。確立した膜融合条件を基に、脂質膜キャリアの高機能化、細胞質へのダイレクトデリバリー能を評価する。

次年度使用額が生じた理由

進捗が遅れたことから、予定していた高額試薬(RNA、抗体)の購入を必要とする実験が次年度に持ち越されたため。

次年度使用額の使用計画

研究を加速することで、計画通りの予算執行を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 人工細胞法による膜型一本鎖抗体組込みリポソームの機能特性の最適化2016

    • 著者名/発表者名
      安藤 満、三浦理沙子、向井貞篤、赤堀 泰、澤田晋一、珠玖 洋、佐々木善浩、秋吉一成
    • 学会等名
      第32回 日本DDS学会学術集会
    • 発表場所
      グランシップ(静岡県・静岡市)
    • 年月日
      2016-06-30 – 2016-07-01
  • [学会発表] Direct preparation of immunoliposomes with single chain Fv by cell-free membrane protein synthesis /liposome system2016

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Ando, Risako Miura, Sada-atsu Mukai, Yasushi Akahori, Shin-ichi Sawada, Hiroshi Shiku, Yoshihiro Sasaki, Kazunari Akiyoshi
    • 学会等名
      10th World Biomaterials Congress
    • 発表場所
      Montreal (Canada)
    • 年月日
      2016-05-17 – 2016-05-22
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi