ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜のような硬質皮膜の新たな強度評価法として,球圧子を繰り返し押し付ける強度試験法を考案し装置を製作した.試験法の妥当性確認のため,熱処理,ラッピングを施した鉄鋼基板上にUBMスパッタ法を用いて形成したDLC膜を実験に供した.面圧約2.6GPa,毎分120回で10000回以上の繰り返し押し付けにより,DLC膜がはく離し基板が露出した.生じたDLC膜の圧痕に対するラマン分光分析により,膜の変質を確認した. また,短時間で10の7乗回もの押し付けが可能な超高速試験法を考案するとともに装置を製作した.この試験法によっても,DLC膜のはく離を確認した.
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