ヒトの右半球前頭-頭頂回路に着目し、その機能およびその発達過程についてMRIを用いて調べた。成人では、自己身体意識を伴う自己身体認知、および自己意識を伴う自己顔認知は、共通して右半球腹側前頭-頭頂領域を賦活することが分かった。また、小中学生を対象に全く同じ実験を行ったところ、これらの共通した右半球腹側前頭-頭頂領域の活動は小学生では見られず、中学生頃に出現することがわかった。さらに、中学生では、右半球の活動と自己意識とが関係する結果も得られた。これらの結果から、右半球腹側前頭-頭頂領域には身体的な自己の情報が表現されており、自己意識を生み出す基盤になる可能性が示唆された。
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