研究課題/領域番号 |
15K21142
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
細見 晃一 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (70533800)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 中枢性脳卒中後疼痛 / 動物疾患モデル / 視床痛 / 一次運動野刺激 / ニューロモデュレーション / 安静時fMRI / 反復経頭蓋磁気刺激 |
研究実績の概要 |
反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)が中枢性脳卒中後疼痛(CPSP)を緩和することが分かってきているが、CPSPの病態、rTMSの除痛機序については、いまだ不明な点が多い。本研究では、CPSP動物モデルを作成し、行動評価および高磁場MRIを用いた脳機能評価を中心に、rTMSの除痛機序の理解を深めることを目的としている。 当初、ラットモデルを作成することも計画していたが、霊長類モデルの作製の目処がたったため、ニホンザルを用いた霊長類CPSP(視床痛)モデルの作製を先行させた。2015年度に病巣作成の前までの各種条件確立、馴化および訓練が終了し、病巣作成の準備を行った。2016年度には、引き続き1頭目の行動評価及びMRI撮影(構造画像、拡散テンソル画像、安静時機能的MRI、感覚刺激機能的MRI)、臨床試験で用いられている刺激条件のrTMS介入を継続実施した。病巣作成部位である右視床感覚中継核を電気生理学的に同定し、同部位に定位的にcollagenaseを注入し出血巣を作成した。出血巣作成後に行動評価およびMRI撮影、rTMS介入を実施したが、出血巣が不十分と判断し、追加の出血巣を作成する予定である。2頭目の馴化および訓練も行い、出血巣作成の準備がほぼ整った。2017年度には、更に十分な出血巣を1頭目に作成した後に2頭目の出血巣を作成し、両者とも行動評価およびMRIでの評価を行った後にrTMSの介入を行い、取得したデータを解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
霊長類モデルの作製は難しく、まずラットモデルの作製を考えていたが、予想に反して霊長類モデルの作製の目処がたったため、霊長類モデル作成を進めている。1頭目に病巣作成を実施し、2頭目の馴化および訓練が終了し、病巣作成の準備がほぼ完了しているため、おおむね順調に進捗していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2頭のニホンザルの右視床感覚中継核に定位的に出血巣を作成し、疼痛行動の出現の有無や感覚刺激の閾値に変化がみられるか行動評価を行う。また、高磁場MRIで、病巣部位や広がりの確認を行い、拡散テンソル画像やrs-fMRIにおいて神経結合に変化がみられるか検討する。また、一次運動野に対するrTMSを行い行動および神経画像に変化がみられるか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験動物にかかる経費が予定より少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究進捗状況に応じて3頭目の実験動物(ニホンザル)を導入する。経頭蓋磁気刺激用運動誘発電位測定装置を購入する予定である。
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