研究課題
反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)が中枢性脳卒中後疼痛(CPSP)を緩和することが分かってきているが、CPSPの病態、rTMSの除痛機序については、いまだ不明な点が多い。本研究では、CPSP動物モデルを作成し、行動評価および高磁場MRIを用いた脳機能評価を中心に、CPSPの病態とrTMSの除痛機序の理解を深めることを試みた。ニホンザルを用いた霊長類CPSP(視床痛)モデルを作成して、実験を行った。まず、各種実験条件の確立、馴化および行動評価やMRI撮影、rTMSの訓練を実施した。行動評価には温冷刺激と機械刺激の逃避閾値を測定し、脳MRIは高磁場MRI装置を用いて構造画像、拡散テンソル画像、安静時機能的MRIを静脈麻酔下に撮影した。rTMSは、頭部固定具を作成して覚醒下で、臨床試験で用いられている刺激条件で実施した。病巣作成部位である視床感覚中継核を電気生理学的に同定し、同部位に定位的にcollagenaseを注入して出血巣を作成した。出血巣作成後、経時的に行動評価およびMRI撮影を繰り返したところ、2か月後より逃避閾値が下がりCPSPモデルが完成した。CPSPモデル化後には、痛み関連領域内における領域間の機能的結合が増加していた。CPSPモデルザルにrTMSを実施したところ、逃避閾値が上がり感覚過敏が改善すると共に、痛み関連領域内における領域間の機能的結合が減弱していた。CPSPの発症機序やrTMSの除痛機序に痛み関連領域内の領域間機能的結合が関与していることが示唆された。
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