受容体の適切な細胞内の挙動は細胞の生理活動の基盤となる。神経栄養因子受容体・RETは様々な細胞の生理活動を支えるが、生細胞におけるRETの細胞内の挙動は分かっていない。申請者はGFP融合RETを発現するマウスを作成し、生細胞におけるRETの細胞内挙動を解析した。その結果、RETは細胞内において極性化した局在パターンを示し、細胞外基質に応じてその動態を変える事、Rab11やDyneinがRETの局在を制御する事を発見した。さらに培養系において疾患誘導型変異RETの異常な局在も発見した。以上より、RETの適切な局在は生理機能に必須で、変異産物の局在異常が病態形質を導く可能性が示唆された。
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