皮膚組織における光受容についてはこれまで網膜に発現しているロドプシンなどの発現が示唆されてきたが、数少ない報告であった。われわれはメラノサイトの光受容とメラノジェネシスに注目した。これまでメラノジェネシスには紫外線による刺激により誘導されるtされてきたが、光シグナル受容体による直接的な光受容については示されていなかった。われわれはこれまでにヒト皮膚においてOpn4(メラノプシン)が発現していることを明らかとした。本研究において、メラノサイトにおいてもOpn4が発現していることを示した。まず、ヒト皮膚組織よりメラノサイト選択培地において単離培養を行った。この単離された細胞よりmRNAを抽出し、RT-PCRを行った。PCR産物をクローニングし、塩基配列解析を行った。その結果、メラノプシンmRNAの発現が確認された。また、スプライシングバリアントも存在した。次に、ウェスタンブロッティング法によりタンパク質レベルでの発現も確認された。 セカンドメッセンジャーであるGnaqの同時発現も検討した。その結果、組織学的にも分子生物学的にもOpn4とGnaqの同時発現が確認された。 現在、ERKのリン酸化を指標としたELISA法により、光照射によるリン酸化の検討を行っている。
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