研究成果の概要 |
Siは黒鉛負極の10倍もの理論容量を有することから次世代リチウム二次電池用負極として魅力的である.本研究ではラマン分光法によりSiの反応機構の解明を試みた.結晶質Siは充放電後に非晶質化してa-Siを形成し,それぞれ520, 490 cm-1にラマンバンドを示す.これを利用してSiとLiとの反応分布を調べたところ,有機電解液中ではLiと未反応のSiが偏在しておりSiへのLi吸蔵が均一に進行しないことがわかった.他方,イオン液体電解液中ではa-Siが均一に分布しており,SiへのLi吸蔵が電極表面全体で一様に起きることが明らかとなった.この結果は100μm四方の広い範囲において定量的に確認できた.
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