後方流跡線と,ガス交換器とICP-MS/MSを接続して,10分間隔で得られた大気中金属濃度のデータを組合わせて行った濃度重み付け流跡線解析を行うと興味深い情報を抽出できた。2016年3月19日の測定ではあ、この日の島根県松江市のPM2.5中Mn, Fe濃度は明らかに中国北部からモンゴルの影響を強く受けていた。一方で、Sbや Pbは日本上空とくに関西圏からの影響を強く受けていた。越境汚染問題を解決するには、それぞれの排出源の寄与率を定量化することは非常に重要であり、本研究で用いた方法は起源を分けることに有用であること、元素によっては国内からの影響の方が強いことが明らかとなった。
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