蛍光色素をIRDye PEGに変更し、健常動物における条件検討を行った。IRDye PEGの1.0pmol/μl~1.0×10-4pmol/μlのPBSによる希釈系列を作成、全身麻酔下のウィスター系ラット後肢の足背にディスポーザブルシリンジとディスポーザブル30G針で10μl~100μl皮内注射し、in vivoイメージングシステムで経時的に蛍光強度を測定した。1.0×10-3pmol/μl以下は蛍光をほとんど検出出来なかった。また1.0pmol/μl~1.0×10-2pmol/μlでは、蛍光強度を検出できても、注入後2時間経過しても蛍光強度の低下は認めなかった。そこで、in vivoイメージングシステムの倍率を上げ、絞りを絞って再度測定を行ったが、注入後1.5時間経過しても蛍光強度の低下は認めなかった。リンパ流を促進する目的でIRDye PEGの溶媒にBSAを添加したり、溶媒をH2Oに変更したりしたが、注入後1.5時間経過しても蛍光強度は低下しなかった。そこで、微量注射用のマイクロシリンジとディスポーザブル30G針を用いて投与量を減らしさらなる条件検討を行った。1.0pmol/μlを1μl注入したところ、注入後1時間くらいまで蛍光強度は低下しその後はプラトーになった。その後、実験動物をBALB/Cマウスに変更し条件検討を続けた。10~1.0pmol/μlを1μl皮内注射し、注入後1時間くらいまでは蛍光強度は低下しその後はプラトーになることが分かった。しかし、マイクロシリンジの死腔とプランジャーの問題から注入量が安定せず、PTFEチッププランジャーのマイクロシリンジに変更したところ、注入量が増え、専用の26G針に変わったためか、結果が安定しなくなった。
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