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2016 年度 実施状況報告書

PARP阻害剤併用による小細胞肺癌薬剤耐性の克服

研究課題

研究課題/領域番号 15K21185
研究機関独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部)

研究代表者

南 大輔  独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター(臨床研究部), 呼吸器内科医師 (80727470)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード小細胞肺癌 / シスプラチン耐性 / Parp阻害剤 / オラパリブ
研究実績の概要

小細胞肺癌(SCLC)細胞株であるSBC-3、およびそのシスプラチン耐性株であるSBC-3/CDDP(Cancer Sci.2013;104:78-84)を用いて、シスプラチン、PARP阻害剤(オラパリブ)単剤投与の効果ならびにシスプラチン、オラパリブ併用投与の効果を検討した。各薬剤における細胞増殖抑制効果をMTTアッセイ法により算出し、併用効果はcombination index(CI)で評価した。SBC-3における5日間の薬剤持続曝露における50%増殖抑制濃度(IC50)値は、シスプラチン0.97±0.68μM、オラパリブ22.27±5.30μMであり、SBC-3/CDDPにおけるIC50値はシスプラチン5.20±0.79μM、オラパリブ9.80±4.20μMであった。CIを用いた評価では、SBC-3/CDDPではオラパリブとシスプラチンの併用療法は相乗効果、SBC-3では拮抗効果が認められた。免疫ブロット法によるPARP1発現を評価したところ、SBC-3/CDDPは親株よりも低下していた。以上より、シスプラチン耐性小細胞肺癌では、オラパリブを併用することによりシスプラチン耐性打破の可能性が示唆された。その一方、これまでの報告(Cancer Discov 2012:2(9):798-811、Cancer Res 2013:73(7):2271-80)とは異なり、当施設で作製されたシスプラチン耐性株であるSBC-3/CDDPではPARP1の高発現は認められなかった。
また、SBC-3およびSBC-3/CDDPよりDNAを抽出し、次世代シークエンサーによるゲノム塩基配列情報を取得した。網羅的遺伝子解析により、BRACA、BCL2L11、AKT、FGFR、NRG1、CCDC6、ATM、NF1、CHECK2などに遺伝子変異が見つかり、薬剤耐性機構に関与していることが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

in vitroにおける検討を繰り返し行ったことにより、当初予定していた皮下腫瘍マウスモデルおよびpatient-derived xenograftモデルなどのin vivoの実験を行うことができなかった。また、臨床検体における検討を行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

in vivoによる追加検討(皮下腫瘍マウスモデルおよびpatient-derived xenograftモデル)ならびに、臨床検体を用いての次世代シークエンサーによる網羅的癌遺伝子解析、薬剤耐性機構の検討を行う予定としている。

次年度使用額が生じた理由

n vitroにおける検討を繰り返し行ったことにより、当初予定していた皮下腫瘍マウスモデルおよびpatient-derived xenograftモデルなどのin vivoの実験を行うことができなかった。また、臨床検体における検討を行うことができなかった。

次年度使用額の使用計画

in vivoによる追加検討(皮下腫瘍マウスモデルおよびpatient-derived xenograftモデル)ならびに、臨床検体を用いての次世代シークエンサーによる網羅的癌遺伝子解析、薬剤耐性機構の検討を行う予定としている。

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公開日: 2018-01-16  

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