宿題に取り組む計画と実際のズレを夏休みと冬休み間で比較・整理した結果,早く宿題を終える計画の破綻傾向は共通していることが明らかとなった。多くの課題が求められた場合,早く終えようとする計画を立てた場合には支援が必要であることを示唆した。また,計画通りに宿題に取り組むことができなかった子どもは,夏休み・冬休みの終盤になってからまとめて取り組む傾向が高く,ストレスも高まっていることも示唆した。さらに,小学生(4-6年生)を対象に時間管理行動に関する調査を行い,因子分析を行った結果,2つの因子が抽出された。第1因子は,「自分で時間を決め,宿題に取り組んでいる」や「学校に遅刻しないように早めに家を出るようにしている」等の項目で構成されているため,計画的に時間を使う因子と解釈し,「計画的な時間活用」と命名した。第2因子は,「宿題などやるべきことがあっても遊びを優先してしまうことがある」や「ダラダラと時間を過ごしてしまうことが多い」等の項目で構成されているため,計画せずに時間を過ごす因子であると解釈し,「無計画」と命名した。「計画的な時間活用」と「無計画」は,根気強さ・無気力・不機嫌と関連しており,時間管理行動が子どもの心に影響を当たていることを示唆した。本研究を通して,子どもの時間管理行動の傾向を把握する指標を作成することができた。今後は,本尺度を用いた,効率的かつ効果的な時間管理のトレーニングを予定している。
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