我々は骨髄細胞が投与薬剤に対して準備状態を成立させるとの仮説を立て、そのメカニズムを解明することで、薬剤性肺障害の病態を解明することを目的とした。ブレオマイシン (BLM)を投与されたマウス骨髄を移植するとドナーマウスにはコントロール群と比較して強いBLM肺障害が誘導され、肺胞洗浄液中のB7H3陽性細胞が増加していた。同一個体において、BLMを少量投与すると、2回目のBLM投与により強い肺障害が誘導されたが、2回目のBLM投与前に骨髄移植を行うことでその増強効果は消失した。この結果から薬剤性肺障害にB7H3分子が関与していることが示唆された。
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