研究課題/領域番号 |
15K21196
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山本 冴里 山口大学, 国際総合科学部, 講師 (00634750)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 複言語教育 / 連携 / 第二言語教育 / 外国語教育 / 欧州評議会 / 山口県 |
研究実績の概要 |
本年度は、関連文献を検討し、先行研究によって導かれている範囲での「連携」のあり方について整理するとともに、この分野での研究を推し進めている欧州評議会の現代語センター(European Centre for Modern Languages)に滞在して、フィールドワークを行った。また、欧州評議会による言語政策という点で、中心的な意味を持つ文書のひとつである『From linguistic diversity to plurilingual education: Guide for the Development of Language Education Policies in Europe』を日本語訳し、くろしお書店より出版した。日本語版タイトルは『言語の多様性から複言語教育へ―ヨーロッパ言語教育政策策定ガイド』である。 以上の関連文献および先行する欧州の状況調査を踏まえ、具体的なフィールドを山口県に設定した「連携」の現状調査を行った。山口県内の複数の自治体で、言語(外語)教育に関わる事業を担当する職員の方、指導主事の方を対象にインタビューを実施した。引き続き、現在は、山口県内の全高校を対象に、第二言語・外国語教育の現状を、規模・学習者属性・学習条件(受講条件など)・費用・ニーズ特性・時間数・目標設定・使用リソース・何か課題として意識されているのか・すでに行われている他教育機関との連携状況などを問うアンケート調査を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度に産休を取得し、産休期間中ならびにその前後には研究活動の十分な実施が難しかったため、研究実施が遅れてしまった。
平成28年度中は比較的スムーズに研究を進めることができ、遅れも少し取り戻すことができたが、平成27年度分の遅れを取り戻すほどではなかったため「やや遅れている」とする。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのアンケート調査、インタビュー調査の結果を分析し、とりまとめる。それを先行研究の結果と照らし合せることによって、対象言語や対象年齢層、機関の性質などの点で多様な第二言語・外国語教育(日本語教育を含む)が、相互に、どのように連携していける可能性を持つのかを、具体的に提示する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由は大きく分けて2点ある。 最大の理由は、科研と合算使用可能な他の外部助成を受けたため、研究に必要な資金の一部をそちらで充当したことである。 もう一点の理由は、当初、年度内に予定されていた調査が予定段階まで終了しなかったことである。
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次年度使用額の使用計画 |
・やや遅れている調査にかかわる旅費、協力者謝金、成果発表旅費、英語論文投稿にかかわる校閲費用としての使用を計画している。
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