研究課題/領域番号 |
15K21197
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中島 翔太 山口大学, 理工学研究科, 講師 (20580963)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 輝度分布センサ / Obrid-Sensor / 人物状態推定 / 人物位置推定 / プライバシー保護 |
研究実績の概要 |
本研究では、奥行き情報を取得可能なセンサシステムを開発し、より実用的で頑健な人物の状態検知が可能であるセンシングシステムを提案する。従来の検知システムでは、それぞれの状態判別の閾値については固定であり、使用する環境が同一であっても、対象者ごとに状態判別の閾値を手動で設定する必要があった。また、対象者の奥行き方向の移動について考慮していなかったため、輝度分布から得られる特徴量の形状や再構成した画像が対象者の大きさや位置を正しく表現できていなかった。そのため、対象者までの奥行きが異なると状態判別が正しく行われないことや、再構成した画像から対象者がどのような状態か把握できないといった問題があった。 本年度は、これらの問題を解決するために、輝度分布センサを用いた奥行き距離測定法を開発し、状態判別の自動閾値設定法と組み合わせることで、センサから対象者までの奥行き距離を考慮した人物の状態判別について検討を行った。研究成果としては、輝度分布の重心位置の変化を利用することで、自動的に閾値を設定可能な状態判別法を提案した。この手法については、フィールド試験により良好な結果が得られていることを確認している。対象者の奥行き距離測定については、輝度分布センサを2台用いることで輝度分布センサから対象者までの距離を導出できることがわかった。検出原理は、それぞれの輝度分布センサから得られる2つの輝度分布のピーク位置の差から対象物までの距離を求める。さらには、対象物の奥行き情報と輝度分布の特徴量を用いて対象物の大きさや形状の推定が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究目標は、自動閾値設定法と奥行き距離測定法の確立であった。どちらの手法についてもフィールド試験により、ほぼ理論通りの評価結果が得られていることを確認した。これらの研究成果は、国内会議や国際会議、学術論文誌にて発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
人物の状態検知について従来では適応できなかった奥行きを考慮した状態判別法について研究を行う。本手法は、本年度に確立した奥行き距離測定法と自動閾値設定法を組み合わせることで、奥行き情報に応じた自動閾値設定法の開発を行う。具体的には、奥行き距離測定法により得られた輝度分布センサと対象物の距離情報に応じて、自動閾値設定法の閾値の変化量を制御する。この手法を用いれば、輝度分布に対して測定対象が水平移動した場合に加え、奥行き方向に変化した場合も正しい状態判別が可能となる。
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