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2017 年度 実績報告書

経済成長下のジャワ島における農業経営主体の変動による自然資源管理システムへの影響

研究課題

研究課題/領域番号 15K21207
研究機関高知大学

研究代表者

遠藤 尚  高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (40532156)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード自然資源管理 / 温帯野菜生産 / 水田稲作 / 土壌浸食 / 自然保護活動 / 不在地主 / 西ジャワ
研究実績の概要

最終年度は、大都市向けの温帯野菜作の拡大が進む西ジャワ州プリアンガン高地畑作農村、スンテンジャヤ村において、2017年9月に、60世帯の農家を対象とした農地の所有経営状況および自然資源の管理状況、農業による自然資源への影響に関する現地調査を実施した。また、追加調査として2018年3月に、上記農村において農民グループの代表者を対象とした聞き取り調査を実施した。
その結果、野菜作の新規参入は、地元住民による非農業部門からの転職が多くの割合を占めている一方、農業技術指導や農地および農業用水の管理体制が整っておらず、傾斜地において、通年にわたる集約的な野菜作が無秩序に行われている事が明らかとなった。このような状況は、農家自身も認識しており、2009年には、一部の農家により水資源保護と収入確保の両立を目指したグループが結成され、コーヒーなどの樹木作物と野菜の混作などが導入されていた。また、野菜作と比較して安定的に所得が得られる酪農に参入する農家もみられることが明らかとなった。
研究期間全体を通して、長期にわたる経済成長により農業の多様化や高齢化等が進むジャワ農村では、従来の自然資源管理体制が通用しなくなる一方、農地の経営主体が不在地主であっても、地元住民であっても、農業経営主体および土地所有者の所得拡大が優先され、新たな自然資源管理体制の構築には至っていない事が明らかとなった。この背景には、農協のような地域の農業を統制する機関や農業経営主体による圧力団体等がほとんどみられない事があるものと推察された。このような成果は、農業就業人口が減少局面に入った発展途上国では、農業の維持に加え、変動する農業や土地利用に応じた自然資源管理体制の構築が重要であることを実証的に明らかにした点で意義がある。
以上のような研究成果は、国内学会およびパジャジャラン大学における成果報告会にて発表された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] ボゴール農科大学/パジャジャラン大学(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      ボゴール農科大学/パジャジャラン大学
  • [学会発表] 西ジャワ高地地域農村における野菜生産による自然資源への影響2018

    • 著者名/発表者名
      遠藤 尚
    • 学会等名
      日本地理学会
  • [学会発表] インドネシア西ジャワ農村における農業の変化と自然資源への影響2017

    • 著者名/発表者名
      遠藤 尚
    • 学会等名
      東北地理学会

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公開日: 2018-12-17  

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