本研究では有機化学においてアルコールやチオールを修飾することによりその反応性を抑制し,不要になった時に穏和な条件で除去できる新奇保護基1-NAPOM基および2-NAPOM基を開発した.NAPOM基は,i)良く似た性質を有するベンジル系保護基と外し分けが可能,ii)弱塩基性,室温という穏和な条件で除去できる,iii)導入剤であるNAPOMクロリドが安定かつ純粋な形で取り出せる固体であるため保存性がよく,商品化もできた,という点で既存の同系保護基よりも優れている.またNAPOM基は糖やペプチドの合成に有用であることも確認できたため,今後有機合成化学において使いやすいツールとなることが期待される.
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