| 研究課題/領域番号 |
15K21215
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| 研究機関 | 鹿児島大学 |
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研究代表者 |
石田 智子 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40624359)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 土器 / 物質文化 / 胎土分析 / 弥生時代 / 考古学 / 地球科学 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、考古学的分析手法による型式学的検討と地球科学的分析手法による胎土分析を併用することで地域社会の形成基盤となる交流の実態を検討し、弥生時代における社会複雑化過程を明らかにすることである。
平成28年度は、前年度に引き続き、調査項目A（葬送行為関連土器と集落出土土器の生産体制の比較）と調査項目B（葬送儀礼時における遠隔地移動土器の析出と在地土器様式との関係）を中心に、胎土分析に着手する前段階のデータ収集・整理を行った。中心対象遺跡および周辺関連遺跡の土器観察、型式学的検討、土器編年の作成を進めた。また、土器の型式学的検討を踏まえた胎土分析資料のサンプリングを行った。
さらに、弥生土器を中心に構築している土器胎土データベースの適用範囲の確認と窯業生産物との違いを明らかにすることを目的として、須恵器の胎土分析を併行して実施した。現段階では、酸化焔焼成土器と還元焔焼成土器では、焼成諸条件や埋没環境の影響の受けかたが異なる見通しを得ている。今後もデータを蓄積することで、精密なデータベースの構築を図る。
研究成果は、学会での口頭発表・ポスター発表で報告した。関連分野の研究者との議論を通じて、分析方法やデータ解析方法の改善および洗練化を進めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究環境の整備および資料保管機関での資料の熟覧がおおむね終了した。考古学的検討が順調に進んでいるため、次年度の胎土分析の実施に速やかにとりかかる基礎ができている。
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| 今後の研究の推進方策 |
前年度・本年度に進めた考古学的検討成果を踏まえて、胎土分析を実施する。中心対象遺跡の資料のサンプリングを現在進めており、今後は周辺関連遺跡の資料の型式学的検討および胎土分析資料のサンプリングを行う。現在進めている胎土分析の分析試料の作成を継続して行うとともに、一部は研究協力者に測定を依頼する。以上の分析成果をまとめるとともに、調査項目C（遠隔地との関係で入手された副葬品類の動態との比較）の検討を加えることで、弥生時代における社会複雑化過程に対して、葬送行為にともなう土器動態が果たした役割について考察する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
前年度から継続して研究環境の整備を進めている。本年度は、分析に用いる機器類の設置を中心に行った。申請していた物品費の大半が胎土分析の実施に必要な消耗品類（ガラス器具類・精密分析試料作成用機材など）であるため、本年度は使用できなかった。また、機器測定の際に必要な人件費・謝金は、次年度以降の使用に変更した。
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| 次年度使用額の使用計画 |
分析試料の作成に必要な器具類・消耗品類を準備することで研究環境の整備を終え、速やかに胎土分析の実施に着手する。現所属機関では実施可能な分析については、一部は研究協力者に測定を依頼して対応する必要があり、人件費・謝金として利用する。
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