研究課題
若手研究(B)
日本古代・中世の喪葬儀礼記事の収集と読解のみならず、中国皇帝や皇后死去時の喪葬儀礼も考察し、その成果を大会・学会誌において発表した。また、日本の葬送儀礼の背景にある儒教の受容についても、学会・大学紀要において発表することができた。その他、日本古代から近世、そして中国諸王朝の儀礼・宗教・政治・制度についての研究文献、および、写本史料(紙焼き・デジタル画像)を収集できたことは、今後の喪葬儀礼研究にも有益である。
日中比較儀礼史
日本の前近代社会、および、中国諸王朝の支配者層における喪葬儀礼を検討し比較することによって、喪葬という行為が死者を悼み、葬るという本来の意義を超越し、所々の政治的集団内での秩序の構築、あるいは再確認につながる重要な意義を持っていたことを明確にした。とりわけ、服喪は物故した支配者、そして後嗣となる支配者との様々な関係性(官人としての立場、血縁・近親関係など)が背景に交錯する。本研究では、これら服喪の諸関係のうち、何を重要としたかを紐解くことによって、日本古代や中国の政治史の一面を明らかにした。