研究課題/領域番号 |
15K21234
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
西郷 達雄 長崎大学, 保健・医療推進センター, 技術職員 (50622255)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 過敏性腸症候群 / 認知行動療法 / 意思決定行動 / ABM / IGT / WCST |
研究実績の概要 |
本研究では、意思決定行動と認知行動理論を基盤としたIBS症状の維持悪化メカニズムの検証をおこなった。平成28年度では、以下①~③の作業を行った。 ①各測定に用いる備品および消耗品のチェックを行なった:本実験に必要なアイオワギャンブリング課題、ウィスコンシンカードソーティングテスト、生理学的検査としてのTEAC社製EDAユニット、および唾液採取のためのサリベット管の準備および動作チェックを行なった。また平成27年度に消耗した備品を補充した。注意課題であるDot probe taskは既に作成済みであったが、Ideoquest社の研究者用注意バイアス修正リサーチシステムABMトレーナーの備品を購入した。また、本実験で使用するアンケートには、VSI日本語版(消化器症状に対する不安を測定する尺度)、IBS-SI(消化器症状の重症度を測定する尺度)、RMQ-III(IBSの診断基準によってIBSの有無を鑑別する尺度)の他にASI(不安感受性を測定する尺度)、BVS(身体感覚に対する注意を測定する尺度)を追加した。②本実験:平成27年10月より本実験を開始している。平成27年の研究協力者は14名(男性7名、女性7名、平均年齢20歳)であった。14名中1名はIBS有症状者であった。平成28年度も継続して研究計画通りに実験を継続する予定であったが、平成28年度では、80名規模の対象者に対して研究協力者を募集したところ、参加者同意取得者内にはIBS有症状者に該当する者がいなかったため、データ取得ができなかった。③データ解析:本実験で得られた質問紙データを解析および唾液試料に関するデータは既に解析済みである。実験中に皮膚電気抵抗の解析は全ての実験協力者のデータが揃ってから実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度の本研究参加同意取得者数が目標に達せず,当初計画よりも遅延したため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では、20歳以上のIBS有症状者を対象としていたが、対象年齢を引き下げ研究協力者を募る予定である。平成29年度内の国際学会の演題発表登録は期間的に厳しいため、国内学会での発表登録を行なう。生物学的指標については、唾液試料のS-IgAの測定結果を用いる。EDAユニットによって測定された皮膚電気抵抗の解析も進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者に対する謝金、データ整理するための人件費、および唾液試料の検査依頼の料金が発生しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究協力者への謝金、唾液検査、資料整理の人件費、学会発表および論文投稿に使用する予定である。
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