光線力学的診断法(photodynamic diagnosis:以下PDD)は、がん細胞に集まる光感受性物質を投与した後、病変部にレーザー光(励起光)を照射して、がんを蛍光発色させることで腫瘍の局在を同定することができる。早期癌に対する簡便で侵襲の低い診断法として有利である。また、この原理を用いた光線力学療法(PDT)へとつながる。本研究では消化管癌におけるPDDの有用性を検証した。胃癌、バレット食道癌では病変の同定に有用であることが確認された。ただし、分化度が低い胃癌では検出率が低く、その原因はがん細胞における光感受性物質の代謝が影響しているということを明らかにした。
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