研究課題/領域番号 |
15K21240
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藤原 康博 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 講師 (90422675)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 磁気共鳴画像 / 医療安全 / 医療機器 / データベース / 適合性 / MRI検査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,体内に医療機器を留置した患者に対して磁気共鳴画像(MRI)検査を実施する際に,MR環境下における医療機器の安全性を適切かつ簡便に確認するための安全性情報をMR適合性データベースとして集約し,それを検索システムを開発することで,MRI検査の安全な実施を支援することである.
今年度は,限られた種類の医療機器の添付文書とメーカーへの調査をもとに作成したMR適合性検索システムの臨床的な有用性を評価した.利用した評価者にアンケート調査を実施した結果,医療従事者は集約されたMR適合性情報を必要としていることが明らかになった.また,システムの基本的機能は必要性を満たしており,臨床的な有用性が高いことが示唆された.さらに,さまざまな製品カテゴリの製品の添付文書の記載から客観的根拠に基づいたMR適合性の標識と情報集約を行うために,ASTM InternationalおよびIECの国際規格に則って,医療機器のMR適合性標識を行うための標識要件を考案した.現在は,MR適合性検索システムの実用化を目指して国内に流通する体内留置されるすべての医療機器を網羅したMR適合性データベースの作成を進めている.
医療機器のMR適合性データベースは概ね完成しつつある.最終年度は,これをインターネットを通じて簡便に検索・参照可能な「医療機器のMR適合性検索システム」として実用化を行い,臨床的な有用性を評価するとともにその成果を論文発表する予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
評価用のMR適合性データベースおよびその検索システムの臨床的有用性が明らかとなり,現在のデータベースを全ての体内留置医療機器に拡充させたデータベース作成と検索システムの実用化を進めていることから,概ね予定通り進展したと考える.
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は,データベースに掲載する製品をさらに増加させ,医療機器のMR適合性検索システムを実用化を進める.さらに,患者ごとの医療機器の挿入履歴およびMR適合性情報の管理を行うソフトウエアを開発する.研究最終年度であることから,得られた成果をまとめ国内外の学会発表および論文投稿を行う予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
データベースの作成に必要なソフトウェアを購入予定であったが,既存のソフトウェアで代用したために使用額に差が生じた.
|
次年度使用額の使用計画 |
システム開発に必要な備品,消耗品を購入するとともに,研究成果を公表するための学会および論文発表の費用に充てる.
|