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2015 年度 実施状況報告書

大動脈瘤発生のメカニズム解明による新規大動脈瘤破裂予測因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 15K21244
研究機関熊本大学

研究代表者

田爪 宏和  熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (10648273)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード大動脈瘤 / 慢性炎症
研究実績の概要

本研究は、大動脈瘤患者の検体およびモデルマウスを分子生物学的手法で解析し大動脈瘤発生から拡大に至るメカニズムをさらに詳細に解明することで、肥満病態や動脈硬化、癌における基盤病態として注目される「慢性炎症」の重要な鍵因子であるAngiopoietin-like protein 2(Angptl2)を、大動脈瘤径拡大予防の治療標的として臨床応用へ展開するための研究基盤を確立することを目的としている。
これまで大動脈血管壁の構造破壊から脆弱化に最も大きな役割を果たすMMP-9の制御をAngptl2が行っていることに加え、血管内皮におけるAngptl2発現上昇によって動脈硬化の進展が促進されることを明らかしてきたが、平成27年度はニコチン投与による大動脈瘤モデルマウスを用いて、大動脈瘤病態におけるAngptl2の発現制御機構についてさらに解析をおこなっているところである。 具体的にはニコチンを投与したApoE-KOマウスの腹部大動脈を経時的に採取し、候補として選択したmicroRNAの発現変化についてリアルタイムPCR法により解析を行っている。
また、ヒト大動脈瘤患者および冠動脈バイパス術施行患者の血清については、患者さんに十分な説明をおこない同意を得たうえで血清を採取しAngptl2濃度をELISA法にて測定し、大動脈瘤径による変化や喫煙歴など動脈硬化を進展させる因子と血清Angptl2濃度との関連性についての解析進めている。
引き続き本研究を進めることにより、早期の診断に加えさらに低侵襲な治療や動脈瘤発症予防につなげることができる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究においてはマウスを用いた大動脈瘤モデルを作成する必要がある。さらに継時的解析をするためにはApoE-KOマウスが多数必要であり、飼育の面から個体数を揃えることに時間を要したため、平成27年度においては研究成果について論文や学会などで発表するうえで十分数の解析を行うことができなかった。 またヒトのサンプルにおいては同意が得られないケースがあったことから当初予定よりも少ない人数分しか集められていない状況となった。
これらのことから、当初計画した研究内容および方法について再検討を要する状態ではないものの、予定していた進捗度が得られなかったため「やや遅れている」と自己評価した。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、前年度研究において統計学的解析にまで至らなかったin vivoの実験に関しては、本学分子遺伝学分野の他の研究者に協力を依頼することで使用するマウスの確保を増加させ、モデルマウスの解析を加速させることとしている。
ヒトサンプルについては患者数に影響されるうえに、さらに自由意思に基づく同意が得られた症例に限られるため研究者側からの介入は困難であるが、十分数の症例数の確保が困難な場合に備えて、他の施設から研究協力が得られるよう準備を開始したところである。

次年度使用額が生じた理由

マウス飼育室の都合により、個体数を増やすためのマウス購入代金が予定よりも少なかったことに加え、解析に使用する試薬の必要量が予定よりも少なかったため、次年度使用額が生じたものである。

次年度使用額の使用計画

次年度においては、解析に必要なモデルマウス作製を増加させることで研究を促進させる予定であり、研究に必要な個体数が今年度よりもさらに増加する予定であることから、物品費として使用することを予定している。
また研究成果についての発表討論に加え、他の研究者とのさらなる討議・情報交換のため、関連する学会への積極的な参加・発表を検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 熊本大学大学院 分子遺伝学分野ホームページ

    • URL

      http://molegene.kumamoto-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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