研究課題
ICTを活用した個に応じた学習活動において,個別学習支援システムに蓄積された学習履歴データを,専門的な知識や技術を要さずに,学校教員が学習者一人ひとりの学習特性を視覚的に把握できるシステムを開発した。試行の結果,学校教員は個々の学習者の学習過程を把握することができるようになったとともに,当該学習集団における正誤の割合や誤答傾向などを確認し,学習者の学習進度や理解状況に応じて適切に学習支援を行うことができるようになった。①学習履歴データの蓄積手法について,教育実習生のICT活用授業記録の蓄積をもとにその有用性を検討した。具体的には,教育実習生にICT活用授業時における困ったことやトラブルなどを設計したデータセットに基づいて記録・蓄積してもらい,教育実習生の学習状況の分析を試みた。データマイニングを通じて,教育実習時におけるICT活用の主なトラブルの要因を整理し,教育実習生が教育実習のなかで何を学んだのか,また今後の課題について明らかにすることができた。さらに,全天球ビデオカメラを用いた動画データの記録収集・蓄積を試み,テキストベースだけではなく,マルチメディアを活用した二次元的なデータ蓄積手法における有効性も明らかにすることができた。②学習者の学習特性分析について,教育実習生の教育実習前後におけるICT活用指導力の変化をもとに検討した。ICT活用指導力チェックリストに基づき記録・蓄積されたデータの分析から,教育実習の過程において,「教材研究や指導の準備・評価にICTを活用する能力」と「授業中にICTを活用して指導する能力」の2つの能力に飛躍的な向上があったことを明らかにした。教育実習でのICT活用必修化による学習効果を明らかにすることを通じて,データマイニング技術を利活用することによって学習成果を可視化し学習特性の解析に資することを示唆した。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
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