研究課題/領域番号 |
15K21253
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
越智 正樹 琉球大学, 観光産業科学部, 教授 (90609801)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小規模観光実践 / 地域的公共性 / 社会的効果 / 周縁コミュニティ / まち歩き観光 / グリーンツーリズム / 教育旅行民泊 |
研究実績の概要 |
平成29年度は当初予定では補助最終年度であり、調査を継続しつつも成果報告に高い比重を置く予定であった。だが第75回西日本社会学会大会期間中(平成29年5月13~14日)における研究打合せを機に、平成30年度の同学会シンポジウムのコーディネーター兼報告者となることが決定したため、成果報告はこれに合わせて行うものとして計画を変更した。同シンポジウムは「観光の社会的効果へのアプローチ」をテーマとしたものであり、「観光の社会的効果を明確に理論化し、これを公益・公共性の中に位置づけて説明することで、地域の小規模観光実践が新自由主義的に排除されない理論的テーゼを示す」という、本補助事業交付申請書に記載した研究目的に直結するものである。これはコーディネーターとして解題報告し、後に投稿する。また報告者としての内容は、沖縄県の農村民泊(教育旅行民泊)におけるアクター間の価値共創を対象としたものであり、これも本補助事業による研究に基づく成果の公表である。これらは同年度に投稿論文(査読あり1件、なし1件)とすることになっている。 また合わせて平成30年度には、日本農業市場学会大会シンポ時有無「観光振興と地域農業・食料市場」においても、討論者として登壇することが決定している。ここにおいても、「観光の社会的効果」の観点から、本補助事業による研究に基づいた発表を行う予定である。 以上のように、本補助事業による5つの成果公表(論文投稿2件、学会発表・討論3件)を予定している。対して平成29年度の公刊物は、学会雑誌への寄稿文1件であるが、今年度は上記成果報告に向けて、調査の継続と執筆を行ったものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の報告では、「民泊」を取り巻く情勢の急変に面して、現場の体制づくりなどアクションリサーチの中でも実践的な面に奔走せざるを得なかったことに起因し、「やや遅れている」と自己評価した。これに対して本年度は、このアクションリサーチの中で蓄積したフォーマルあるいはインフォーマルなデータを分析・考察し、成果公表物の作成をすることができた。「研究業績の概要」に記載したとおり、これらの公表は平成30年度に行うことになったため、「当初の計画以上」といった評価はできないが、上述のように調査と成果報告の目途が経っているため、公表時期の問題を除いては「おおむね順調に進展している」と自己評価して良いだろうと考える。
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今後の研究の推進方策 |
「研究業績の概要」に記載したとおり、何よりもまず5つの成果公表を確実に遂行することが最重要である。加えて、調査対象の中には昨年度までにアポイントが取れなかった対象もあり、実際すでに平成30年4月にある1つの対象への調査を実施した。本年度は最終年度であり、成果公表の仕方についても決定済みであるが、調査は最後まで継続しつつ、新たなデータを補足しながら成果物のブラッシュアップを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果報告5件をすべて次年度学会大会に合わせて行うことが決定したため。
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